鉄道博物館に保存されたマイテ3911の美しい姿をご覧頂きます
インテリア
絢爛豪華な桃山様式の内装が再現されました |
平成19年10月19日 管理人撮影 |
オリジナルでは、黒い部分は本漆塗り、金属部分は金メッキでした。 しかし今回の復元で膨大な費用がかかるため、漆塗りはカシュー塗りに、金メッキ部分の金具は FRPで作成したとのことです。 まがい物とはいえ実に精巧に作られています。現在の技術で唐草模様の金具がFRPで出来てしまうとは 逆に驚かされます。復元に携わった職人さんの予算との戦い、こだわりが伺えます。 カシュー塗りとは和室の襖の框(カマチ=縦枠)に塗ってある黒や茶色の塗料材です。 仕上がりは漆のようですが、小さな気泡が出たりして若干安っぽい感じがします。価格は極めて安価 漆塗りが1本10万円はすると思いますが、カシュー塗りですと3千円程度です。 |
格天井と格子 |
平成19年10月19日 管理人撮影 |
妻板中央部分の牡丹の彫刻は復刻ではなく創建当時の物に色づけしたそうです。これも実に鮮やかな 色に再現されており、左右の松川菱が牡丹を引き立てています。 ちなみに当初の松川菱とその中に有る花菱は本漆だったのですが、復刻塗装はカシュー塗りとのことです。 |
牡丹の装飾の妻板 | 松川菱(黒色のギザギザの菱)と花菱(朱色) |
平成19年10月19日 管理人撮影 | |
金色に輝く金物の全てがFRP製。恐らくコンピューターのなせる業だと思います。 創建当初、この展望室を作るのに要した職種 大工・指物屋・建具屋・彫金師・塗師 いずれも超一級の技術を 持った職人さんが長時間を要し作ったものと思います。 現代ではコンピューターを駆使すれば短時間にこのように出来てしまうのですね。 |
妻板部分の網代 |
本物は竹製ですが、これはどうみてもビニール(リノリウム?)っぽいです。 しかし遠めで見れば全く分かりませんね。 |
菱格子とソファー |
平成19年10月19日 管理人撮影 |
大井工場で見たマイテは欄間の格子しか見えませんでした。この窓上の菱格子がそれですが、どうも今回の復元では これも作り直したようです。黒漆塗り(カシュー)の格子の下に白木の格子が見えますが、タモ材と思われる木は真新しい ものでした。 学芸員さんに色々聞いたのですが、興奮しており詳しくは聞き漏らしてしまいました。 このソファーは全く新しく作ったものです。ご多分に漏れずソファーは雨漏りでボロボロになっていたそうです。 |
1等室へ通じる扉横の引出 | 窓上の菱格子 |
平成19年10月19日 管理人撮影 | |
引出を開けてもらったところ、底板は抜けていたので新しくしたそうですが、枠組みは昔のを使い組み立て再塗装 したとのこと。引出上の背板は何ともお粗末なプリント合板を使っています。 |
優美な曲線の折り上げ格天井 | |
平成19年10月19日 管理人撮影 | |
ダブルルーフを生かした折り上げ格天井はよくお寺などで見かけますが、昔お風呂屋の天井がこのような形 だったような気が(?)します。 |
FRP製の止め金具 |
今回の復元で驚いたのはFRP製の模造金具です。 写真は展望デッキへの扉ですが、框(カマチ=縦桟)と横桟に付けられた とめ金具。 扉の面形状をよく見るとスプーンの様にえぐれているのが 分かるでしょうか。これをサジ面といいますが、止め金具はこのサジ面に 合わせて形状が抉れています。 |
ストロボを使用しない自然光での内部(1等室側) |
平成19年10月19日 管理人撮影 |
やはりこれを見てあなたも仏壇と思いましたね。いやいや、ここは徳川家康、太閤秀吉の居室です。 |