青大将編成製作記
 
 勢揃いした往年の特急 つばめ・こだま 
 
 平成19年8月、ある公民館で開催された鉄道模型の運転会へ訪問したのが実に40年ぶりに
模型製作を再開したきっかけでした。

《道草特急》主催のフナさんとの出会い。それほど大きな運転会では有りませんでしたが、フナさん
が作られた《田舎電車》そして丹精込めたレイアウトに魅了されてしまい、遠い昔、ボール紙を
切り抜いて作ったHOゲージの模型製作が思い浮かんできました。
いずれ仕事をリタイアした時には《模型でもやるか?》なんて思っていましたが、フナさんとの出会いで
火がついてしまいました。
平成20年1月。ネットでカトーから《スハ44つばめセット》が発売されるのを目にしました。
《もうこれは買うしかない》 そう思い近所の模型店へ・・・・

エンドレスの線路をC62が牽引する《つばめ》がぐるぐる廻ってます。これだけでも大喜びでしたが
何か物足りない。
そうです、私の原点は青大将なのです。
でも、模型店を探しても生産中止で売ってない〜〜
それでは《作るか〜》・・・・
無謀にも腹をくくり製作を考えました。うまい具合にGMより安価なキットが出てましたのでこれに
飛びつきました。


 EF58
 
 先ずはEF58 
青大将編成製作で先ず困ったのは機関車と展望車。 客車についてはGMのキットが発売されて
ますが、さすがに機関車と展望車はキット製作はためらいました。
機関車について、カトーの製品は生産中止となっており、全国の模型店を探しても売り切れ。
たまに在庫があったり、オークションで売られてたりしましたがどれもバカ高値が付いていました。

そうこうするうちに、オフ会でお世話になっているS様が機関車と展望車、他にも客車をお譲り
いただけるとの話が飛び込んできました。
オフ会でお会いし、とある中華料理屋で宴会(?)の中で譲渡式が営まれました^^
パンタが1個有りませんでしたが、これを聞きつけたA様がご好意でお送りいただけました。

これで晴れて青大将機関車の誕生です。
ヘッドマークとナンバーはホビーショップカトーまで出向き購入してきました。
 
 スハニ35
 
 
 
先ず最初に手がけたのはスハニ35. これは40年前、HOゲージで作りました。確かダンボールを
切り抜いた覚えがあります。他にもダンボールで作りましたがなぜかオハ35.今から思えばなぜ
スハニ35を作って他のスハ44やスロ54のつばめ編成を作らなかったのかが不思議に思えます。

なにぶん40年ぶりに再開した模型製作、しかもHOよりはるかに小さい9mmゲージです。
パーツが小さく扱うのに一苦労、床下部品を取り付けるにも悪戦苦闘です。
セメダインがはみ出る〜、屋根と側板の接合部に隙間が出る〜 etc

何とか形になったところで綺麗に洗浄して、下塗りへ〜

仕上げの淡緑5号。この色については本物が無いので困りました。雑誌で往年のつばめを見ても
雑誌により色が違います。また、模型メーカーで発売されている既製品の車両も各社で色が違い
ます。自分のかすかな記憶の中にある青大将とどうも違います。
その中で一番近いかな?と思ったのがGMから発売されている《京阪グリーン》34号
大宮工場に保存されている93号機の色にも近いのでこれに決めました。

今回は内部まで手が廻らないのでとりあえずガラスをはめ、台車を取り付け、幌を取り付け出来上り。
 
  オシ17
 
スハニ35が完成したら次はオシ17。これは意外に簡単に出来ました、でも、・・・・
次に襲ってきたのはHゴムとサッシの表現。これは私にとってはかなり難易度が高い。
特にHゴムは私にとってまだ無理と判断しました。
と言うわけで拭き付けで塗りつぶし、出来上がればどうってことない。気にしない気にしない。
でもアルミサッシには挑戦してみました。
一応マスキングテープで不要部分を覆い、細い筆で丁寧に描いてみました。
するとどうでしょう、遠くから見ればそれらしく見えるではないですか。
でも、ちょっと失敗があります。ベンチレーターの配列をまちがえました。 
 
スハ44 
 
スハニ35もオシ17も1台のみですが、スハ44は4台、ナロ10にいたっては5台必要です。
今度はうまくいきました^^ 自分でも《お〜よく出来た》と満足してます。・・・・が2台目の塗装の際
完成を急いで雨の日に仕上げ塗装をして大失敗しました。
やはり《急いてはことを仕損じる》の格言どおりでした。
3台目、4台目はどうした?
3台目についてはS様からお譲り頂いたものがあったのでそのまま使用させていただくことにしました。
さて4台目、どこの模型店を探してもキットの在庫が見当たりません。
仕方なくオークションを検索しているとカトーのセットバラシが売っていたので購入しました。
しかし・・・・ GM34号色と大きく色が違い深緑色です。これは青大将ではない〜〜〜
即車体をばらし、屋根にマスキングテープを貼り34号色を拭きつけました。
 
ナロ10 
 
 
さて問題のナロ10です。なぜスロ54にしなかったか? 理由は単純で軽量客車のほうが青大将に
似合ってるから。それだけの理由です。でもこれは製作的には失敗でした。
ナロ10のサッシの表現、そしてGMのキットはトイレ窓が塗りで表現するようになってました。
サッシは難無くクリアーしましたがトイレは私にとってかなりの難関です。
最初は筆で塗りましたがムラが多く失敗、仕方なくトイレ窓以外をマスキンテープで覆い小さな4箇所の
窓を吹き付け塗装しました。
出来栄えはご覧の通りです。納得はいきませんが自分の技術ではこんなものとあきらめてます。


それにしてもナロ10は5台あり、最後にはうまく出来ると思ってましたが最期の最後まで納得行くものが
できませんでした(涙)
 マイテ49 
 
さて、《つばめ》の最後尾を飾るのが展望車。これは冒頭にも述べましたがS様からお譲り頂いたので
なんの苦労も無くそのまま使用させていただいてます。
34号色に比べ少し色がくすんでますが、実際の青大将に一番近い色のような気がするので色に手を
加えてません。
 
 昭和35年当時の《つばめ》《あさかぜ》
 
 
 
東海道本線全線電化により C62からEF58へバトンタッチ
 
 
というわけで40年ぶりに私の模型活動が再開しました。
これもフナさん・ア○○ーさんをはじめオフ会の皆様のぁ熊の囁きのお陰です^^

そして何より模型製作のきっかけとなったのが、《青大将登場物語》をきっかけに知り合い、原稿まで
わざわざお寄せいただいた坂本 衛 様よりのお手紙でした。
同時に坂本様が所属されている模型サークルの同人誌に投稿された文章を見て心を打たれました。

リタイア後の事ですが、《交流運転が出来るか》
交流とは=リタイア後の人との交流です。

現役時代は直流運転で、仕事上や人間関係上様々な方々とのお付き合いがあります。
しかし、リタイア後は趣味でも持たなければ世間からはぱったりと閉ざされてしまいます。

坂本様はリタイア後のことを考え直流運転中に交流運転も覚え、交直両用にしておき、来るリタイア後に
スムーズに交流運転が出来るようにと奨励されていました。

お陰さまで私の場合、模型こそ手を出していませんでしたが、鉄道を通じて多くの知り合い、友を得る
ことができました。
今度は近い将来の交流運転に向けて、鉄道模型を本格的に拡大(?)しようと決意しました。


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